2017年11月18日(土)を皮切りに、東京・大阪等全国8会場で第3回調剤薬局業界経営サミットが開催された。

今回の講演はクオール株式会社と日本M&Aセンターがタイアップをしており、第1部 クオール株式会社代表取締役会長 中村勝様の特別講演内容は、
(1)調剤薬局業界の現状
(2)選ばれる薬局になるためのクオール社の取り組み
であった。

第2部では、私、日本M&Aセンター山本夢人が講師を務め、「IT化で変わるこれからの調剤薬局業界」というテーマで、2025年に選ばれる薬局になるためにはどうすべきかを解説した。

調剤薬局経営サミットの様子
11月18日東京会場の様子


クオールの取り組み

クオールは2017年3月期現在、売上1,315億、店舗数714店舗の業界第三位に位置する。彼らはいわずと知れた異業種との連携のパイオニアである。LAWSONやビックカメラ、JR西日本等、様々な異業種企業と提携をし、これまで、同社で主流であった特定の処方元とのマンツーマン薬局から、大きく脱却し、同業他社との差別化を図っている。

なぜこのような取り組みをしているのであろうか。

講演の中で中村会長は「今後調剤薬局業界は大きな変化を経験することになる」と何度もおっしゃっていた。2025年の地域包括ケアシステムの構築に向け「調剤薬局はどうあるべきか」という議論が激化している中、中村会長は“対応力”が鍵であると述べた。具体的には「調剤薬局業界は、今や大手チェーンによる集約化、異業種による参入、IT化の流れなどを鑑みなければならない。患者ニーズもこれから大きく変化する。その際にどのような変化が起こっても対応ができる体制を整えておくことこそが、調剤薬局が生き抜く道である」とし、変化の時代を迎える調剤薬局のあるべき姿を伝えた。

クオールでは、顧客の様々なニーズを把握するため、コンビニや家電量販店等これまでの調剤薬局に訪れる層とは別の層を対象にした連携を図っている。他社であれば収益が見込めないと二の足を踏みそうな先行投資をクオールは積極的に行っており、今後のマーケットリーダーとなるべく、積極的に将来のために取り組んでいるのが伺える。

IT化で変わるこれからの調剤薬局業界

現在、様々なIT企業が調剤薬局業界に参入していることはご存知であろうか。
例えば、カケハシというITベンチャー企業がある。同社は従業員の半分が薬剤師であり、非常に専門性を持った企業である。同社が開発した“Musubi”という電子薬歴システムは、なんと服薬指導中に薬歴の作成が終わってしまうというものである。
従来、薬剤師が空いた時間や、営業後に何時間もかけて入力していた作業が大幅に省力化されることになり、負担の軽減、コスト削減、さらにはよりよい医療サービスの提供を行えるすばらしいシステムである。

カケハシのように、昨今様々なITベンチャーが起業し、調剤薬局関連のシステムを開発している。金融やテレビ業界がIT企業の参入により、大きく業界が変化したように、まさに調剤薬局業界も業界が変わるチャンスとなっている。

例えば、銀行ではネットバンキングを導入していない企業を探すのが難しいくらい、ネットを通じたお金のやり取りが当たり前になってきている。テレビ業界もTverなど、ネットを使って番組を視聴し、広告収入の得方に変化が起きている。
いち早く導入した企業と、出遅れた企業に収益率に大きな差が生まれてきているのだ。

調剤薬局はこれまで患者、薬剤師、ドクターに振り回されてきたが、今後はその三者から選ばれる薬局にならなければいけない。IT化はそのひとつの手段である。
常によりよい医療サービスを提供するため、“自らが成長・発展する方法”もあれば“他社と組んで取り組む方法”もある。いずれも正解だと思う。大切なことは、どの方法が時代にマッチしており、いち早く達成できるかである。

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AUTHOR PROFILE

業界再編部 M&Aアドバイザー
調剤薬局業界責任者

山本 夢人

東京大学工学部卒。野村證券株式会社、土木資材メーカーの副社長として経営に参画後、日本M&Aセンターに入社。経営者としての経験をもとに中小企業オーナーの立場に立ったM&Aを提案。現在は調剤業界担当の責任者としてM&Aを支援している。