2018年が明けました!
今年一発目のコラムなので、2017年の振り返りをしながら2018年の業界再編動向についてマクロな視点で考えてみようと思います。どうぞ皆様本年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

2018年の年明け
2018年、業界再編の動きはどうなるだろう?


2017年の振り返り―好調な世界経済に後押し

2017年、株価は世界的に好調でドル円相場も安定していた1年だった。
多くのエコノミストは、トランプ大統領就任によりアメリカ経済は一時的に良くなるが、その後長くは続かないのではと予測した。しかし期待は良い方向に裏切られた。
一方で、北朝鮮の核ミサイル問題は多くの国を悩ませる問題となり、「北」は今年を表す漢字に選ばれた。

国内では、広島カープが2連覇を果たし「新人を育成していくことが中長期的に良いチームを作る」という流れが多くの球団のコンセンサスとなり、自前主義が改めて見直された1年でもあった。
(個人的にカープファンなのでとても嬉しい1年でした)

IT企業がもたらす業界革新

IT企業は広告や派遣などの業界との相性が良いとされてきたが、プロ野球界も楽天、ソフトバンク、DeNAが参入したことによって業界が大きく変わろうとしている。

横浜DeNAは2015年に横浜スタジアムを買収し、スタジアムと一体となって運営することにより多くの改革を実行し、入場者数を2011年の110万人から2016年の197万人へと79%増加させた。同じ球団経営でも、選手のパフォーマンスや経営力によって大きく結果が変わることが如実に現れた結果だ。

これ以外も、タクシー業界にはUber、ホテル業界にはAirbnb、テレビ業界にはAmeba TV、などのように10年以上大きな変革がなかった業界にIT企業が新たに参入したことで、業界にイノベーションを起こしている。
国内の株式市場では、マネーフォワードに代表されるように、FintechやAI関連企業の上場ラッシュを迎え、高PERで高い株価がついている。

一方でアメリカではIT企業の寡占化が既に進んでおり、IT企業の新規上場が大きく減少している。アメリカではトップ5社(Apple, Alphabet, Amazon, facebook、Microsoft)の時価総額が3兆ドル(およそ340兆円)を超え、アメリカの株高を支えている。

私は、日本国内で『あらゆる業界がおよそ4社以内に集約されていく』(ビール、飛行機、スーパーゼネコン、法律事務所、監査法人、メガバンク、総合商社など)と提唱しているが、アメリカのIT企業も上位企業で市場のほとんどを独占する傾向は変わらない。

明るみに出る不正

日本国内においては、大企業の不正が表面化した1年でもあった。
東芝は、主に原発事業によって最終赤字9,500億円を計上し、債務超過額が5,400億円にのぼった。不正会計が表面化し、決算発表の延期を繰り返すなど改めて海外企業の買収の難しさを感じた。

富士フイルムホールディングス(HD)は子会社の中でも独立色が強いとされてきた富士ゼロックスの不正会計問題を受け、経理や監査部門を統合する方針だ。自動車業界などでも神戸製鋼、日産などの不正点検問題もついに明るみに出た。今に始まった問題ではなく、数十年「慣習」として継続していたと言う。

インターネットがこれだけ普及する時代、誰でも気軽に情報発信できる環境がある今、不正の内部告発も多くなった。
旧態依然とした体制は、襟を正さなければいけない時代がやってきている。

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AUTHOR PROFILE

上席執行役員 業界再編部長

渡部 恒郎

京都大学経済学部卒業。在学中は、ベンチャー企業を立ち上げ、取締役に就任。卒業後、新卒に日本M&Aセンターに入社。以降、7年間のプレイヤー時代に当社の最優秀社員賞を3度受賞。過去100件を超えるM&Aを成約に導き、中堅・中小企業M&AのNo.1コンサルタントとして業界を牽引している。業界再編M&Aの第一人者。代表的な成約案件であるトータル・メディカルサービスとメディカルシステムネットワークのTOBは日本の株式市場で最大のプレミアムがついた(グループ内再編を除く)。ゼロから業界再編部立ち上げわずか3年で28億円超を売上る部署に育て上げる。著書の、『業界メガ再編で変わる 10年後の日本 中堅・中小企業M&Aが再編の主役だ』(東洋経済新報社)は2万部発刊しamazon総合で1位のベストセラーとなる。「『業界再編時代』のM&A戦略」(幻冬舎)、「事業承継型M&A」(きんざい・共著)。日本経済新聞、朝日新聞、東洋経済、日経MJなどのマスメディアで取り上げられている。2017年当社最年少で執行役員就任、2018年上席執行役員業種特化事業部部長。